【扉は目の前なのに開かない、内側が壁で塞がれた二重封鎖の特殊...
2026/09/20
【扉は目の前なのに開かない、内側が壁で塞がれた二重封鎖の特殊鍵開け事例】
本日は、鍵屋として久しぶりに難易度の高い鍵開けのご依頼をいただきました。現場調査の段階で通常の鍵開けでは成立しないと判断できる、特殊な状況が重なった案件です。
使われていない風呂場を壁で仕切る工事をした際、担当者が 扉の内鍵を掛けたまま壁を完成させてしまったとのこと。扉自体は目の前にあり触れられますが、開けても内側は壁。さらに内鍵が掛かっているため、扉として機能しない状態でした。
問題はここからです。扉には メイン錠と内締まり錠の二重封鎖が施されていました。
下のメイン錠は鍵屋としてピッキングで解錠可能。しかし上の内締まり錠は、内側からしか開けられない構造で、外側からは一切操作できません。サムターンにも触れられず、通常の鍵開けではどうにもならないタイプです。メイン錠を開けても扉は動かず、内締まり錠が最後の壁として残ります。
さらに建具構造が追い打ちをかけます。
扉のガラス面は後付けの二重構造で、前面のガラス枠はリベット固定。ガラスを外すルートは使えません。隣の扉ははめ殺しで取り外し不可。横からのアクセスも不可能。鍵屋としての通常ルートがすべて塞がれている、まさに完全封鎖状態でした。
状況を総合的に判断し、選択できる方法は一つだけ。
メイン錠はピッキングで解錠し、内締まり錠は扉に最小限の穴を開けてケース内部のデッドボルトを直接操作する。
穴開けは数ミリのズレが命取りになるため、錠前の型番・ケース内部構造・施工の癖を読み取り、正確な位置を割り出して慎重に作業しました。
結果、破壊を最小限に抑えながら無事に解錠成功。
依頼者様からは、壁を壊すよりはるかに安く済んだと大変喜んでいただけました。
鍵屋の仕事は、ただ鍵を開けるだけではありません。建具の構造、錠前の種類、施工の癖、現場の制約を読み解き、最善の鍵開け方法を導き出すことが職人の腕です。今回のような二重封鎖の特殊鍵開けは、経験値が一気に上がる貴重な事例となりました。





